現代日本の住宅の多くは、新建材にによって生み出されていますが、
そのほとんどが、数十年後には粗大ゴミとなってしまいます。
この計画は将来的に材が例え暴れたとしても、
集成材などではなく無垢の木材でつくり、
日々の木漏れ日の中で暮らすことを望まれている
クライアントのための計画です。
クライアントが望まれた自由な外周部を実現するために
15本のスチールの自立柱を基にスリットを設けながら屋根を架け、
木々に守られて、自由に暮らすための一室空間としています。
薄っぺらなボードやシートで何重にも工程を重ね、
工数(人件費)を増やすのではなく、
無垢の杉の角材を並べて壁や屋根を構成しています。
壁と屋根だけで杉の角材約600本、
通常の木造住宅5〜6棟分の材木を使用しますが、
工数を減らすことで、そのコストを材料費に置き換え、
通常の住宅と変わらない坪単価(施工床で約72万)で成立させています。
(海の近くということもあり、着工後に起った東日本大震災後に、
クライアントのご事情で計画を延期しています。)