修行時代の終わりに手掛けた
型枠コンクリートブロック二重壁の住宅。
計画の途中で、事務所の諸事情により、
完成までの2年間を自室で計画を進めなければいけなくなったこともあり、
とても思い出深く、また今取り組んでいる「線と面の家」や
住宅を計画する上でのベースになっている。
耐用年数の優れた型枠ブロックを2重で積むことで、
構造、内壁、外壁、断熱、設備を、同時に成立させ、
壁の厚みがあることで、中間階の床からコンクリートをなくし、
水平方向、垂直方向の奥行き感を獲得することを目指している。
構造部にかかるコスト的なウェートがとても大きな建築であったが、
元請けである並木建設の並木社長さん、担当の佐藤晴男さんをはじめ、
ブロック、型枠、スチールサッシ、床暖房・・・など、
多くのメーカー及び施工者の協力を得て、
70万円台という通常の住宅と変わらない坪単価で、
実現することができた。
計画から数年を要したが、
この間、暖かく見守ってくださったクライアントの方々をはじめ、
携わってくださった全ての方に、心から感謝している。