will
  

■意志のある建築
 
 クライアントとともに、子供をつくり、育てるように
 建築に携わっていきたいと考えていますが、
 クライアントのためだけではなく、
 また建築家の自己満足のためでもない、
 子供が立上がって、歩き始めるような、
 もう少し強く、自立し、
 存在しようとしている「意志のある建築」をつくりたいと考えています。

 2006年に竣工した大網白里町K邸の計画は、
 4方に開いていく建築でしたが、その内の1つが浴室であったため、
 打合せ当初、不透明ガラスにすることを理解していただけず、
 変則的に、ブロックの壁で目隠しをすることになり進んでいました。
 しかし、打合せを重ねていく中で、
 ある時、クライアントから「この建築は、開きたがっている。浴室も透明ガラスにしよう。」
 という有難いお話があり、
 この時、クライアントの所有物でも、建築家の創作物でもない、
 対等の存在として、この建築の存在を認めていただけた気がして、
 とてもうれしかったという思い出があるのですが、
 できたら毎回、存在しようとしている「意志」を見つけて、
 クライアントと共有した上で、計画を進めていきたいと考えています。

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