東京都杉並区H邸・・・ブロック×空気×ブロック
  

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■計画概要
 敷地面積:209.77㎡
 建築面積:113.28㎡(建ぺい率:54.00%< 約 56.54%)
 延床面積:170.72㎡( 容積率:81.38%< 約165.42%)
   2階: 67.20㎡
   1階:103.52㎡
 地下1階: 61.60㎡ ⇨ 61.60 < 77.44=232.32/3 ∴容積未算入
   合計:232.32㎡(70.28坪)(二重壁の内部側の壁芯でカウント)

■設計趣旨
:南東に開けた豊かな敷地の中に、
 家族5人のための住宅の計画である。
 地下空間から地上空間そして屋上空間まで、穏やかに結びつきながら、
 将来的な家族の状況や、子供の成長などに合わせて、
 衣替え可能な一室空間が求められ、
 また、温熱環境的な負荷を軽減するような
 建築的な解答を求められている。
 これらに対して、ブロック二重壁によるダブルスキンと
 屋上緑化されたコンクリートスラブによる、
 継続可能なシェルターに守られた、
 フレキシブルな空間を提案したいと考えた。
 ブロック二重壁は、地価の高い東京では不合理に思えるかもしれないが、
 面外方向の壁を壁量にカウントできるため、
 内部空間に出てくる壁を少なくすることができ、
 ブロックが自立していることで、
 中間階からコンクリートの床をなくしていくことが可能となる。
 二重壁内の中空部には、根切りした土を充填し、
 断熱や調湿の機能も兼ね備えている集約された壁面を構成することで、
 外部に対しては継続可能なシェルターをつくり、
 内部は機能の更新が可能なフレキシブルな空間をつくることで、
 結果として長く建築が使われ、個人的な資産としてだけではなく、
 街並を形成する上でも、価値のある建築をつくりたいと考えた。
 プラン的には地下室が要求されているので、
 東側アプローチ側と西側の地下空間側をスキップフロアとして、
 各階の機能が分断されることがないように計画した。
 具体的には、東側駐車スペース、玄関からアプローチし、
 西側に向かって1200ミリ程下がって、
 ゲストルーム、ホビールーム、書斎が地下空間にあり、
 西側に向かって2000ミリ上がって、
 主空間であるLDK、内部的な外部テラスが用意されている。
 リビングから東側に800ミリ上がると、洗面、浴室、主寝室があり、
 そこから、西側に2000ミリ上がると、子供達のゾーンとなっている。
 子供室は、ボールト屋根で守られ、
 ボールト天井に導かれた光は北側壁面を伝って下部へと浸透していく。
 子供室の床スラブは、南側へと延び、下部空間を彩るパーゴラとなり、
 さらに子供室から東側に800ミリ上がると、屋上庭園が用意されている。
 ただし、名付けられた室名にそれほど意味はなく、
 季節の風を求めて、晴れた日にテーブルを外に出して食事をしたり、
 浴室のトップライトを開け放ち星空の露天風呂を楽しむといった、
 短期的な機能の更新とともに、
 中長期的な長いスパンでの家族の呼吸にあわせて、
 家全体が呼応するような光と風と緑で満たされた
 継続可能な家をつくりたいと考えた。

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